2018年2月26日月曜日

ピロリ菌除去と胃症状の改善を調べた興味深い研究


ピロリ菌 Helicobacter pylori は,胃ガンとの関連性が指摘されて,最近テレビや新聞でも,しばしば取り上げられる話題である。

そのピロリ菌の除去が,実際に,胃症状の改善にどの程度役立つかを調べたのが,小熊らの研究である。

小熊一豪ほか(2017)
Helicobacter pylori 除菌前後における消化器症状の検討
Progress of Digestive Endoscopy, 91(1): 52-56.

私は,小熊氏から統計データの解析支援を要請された。調査対象となった症状は,胃痛,胃もたれ,胸やけ,膨満感,食欲不振,げっぷ,胃酸逆流,吐き気の8種類であった。

データを見せられる前には,この中から2,3種類の症状は改善するだろうと思っていた。しかし,実際にデータを渡されて統計解析してみると,これら全てが,ピロリ菌除去後には,有意に改善されていた。逆に言えば,これらの症状に悩む人々が,実はピロリ菌感染の影響を受けている例も多いだろうと推察された。

これらの症状に長く悩んでいる人は,是非,ピロリ菌感染の検査を受けて欲しいし,その感染が明らかになったら,積極的に除去してもらうことを勧めたい。

その他の統計学上の話題は,私の研究室の解説リスト参照