2015年4月26日日曜日

レビュー: 敦賀市における放射線とリスクに関する意識調査


最近読んだ論文で,興味深い調査結果を示したのが,表題に挙げた福井大学による以下の論文である。

篠田佳彦,・山野直樹(2015)
敦賀市における放射線とリスクに関する意識調査
日本原子力学会和文論文誌 14(2), 95-112.

論文の内容は,タイトルそのままの調査を,敦賀市在住 18 歳以上の男女に対して行なった結果とその考察である。

私が特に興味を惹かれたのは,Table 7に示された以下の質問と回答である。

福島産食品の購入を避けたいと思う女性が多い


特に女性では,いまだに,福島産食品の購入を避けたい,という意識が強いのである。この結果に関して,残差分析も行われ,選択項目の比で,男女間に有意な差が認められている。

なお,残差分析の理論計算に関しては,私のYahoo!知恵ノート参照。

カイ二乗検定(独立性検定)から残差分析へ:全体から項目別への検定

さらに気になったのは,男女とも,「中間」,つまり,「どちらとも言えない」という回答が最も多かったことである。「購入を避けたいか?」と尋ねられて,「どちらとも言えない」という回答は,「福島県産食品に不安がある」というネガティブな印象の裏返しだと思うが,他の読者はどう思うだろうか?

これとは別に気になったのは,以下の質問である。

Table 6
Q8-ア 低線量の放射線被ばくは,その被ばく線量に関わらず怖いと思う。

低線量放射線被ばくを怖いと思う人が多い。

回答では,実に,半数以上が,そのように感じているのである。原発が作られ,今後,再稼動に向けた準備が進む敦賀市においても,このような怖さを感じる人が多いとは意外であった。