2013年3月10日日曜日

辰野町,相変わらず隠そうとする移入ホタルによる地元ホタル絶滅


ウィキペディアの松尾峡の項目を見て仰天したという話題である。

2013年,65回目を迎える辰野ほたる祭り。その中でも,ホタル移入の歴史およびその生態的悪影響の事実を隠そうとしている辰野町の実態が,またまた現れたようだ。

辰野町のホタルが県外から観光用に移入されたものであり,それによって地元ホタルが絶滅してしまったことは,私自身,何度か書いてきた(辰野の移入(外来)ホタル 生物多様性の喪失へ長野県辰野のホタル再考:観光用の移入蛍で絶滅した地元蛍 松尾峡ほたる祭りの背景にあるもの)。

これは,全国ホタル研究会のおいても,何人かの研究者によって指摘されてきた松尾峡の問題点である。

最近,久しぶりに,ウィキペディアの松尾峡の項目を見て,その履歴を読み,びっくり!!

松尾峡のホタルが県外から移入されたものであること,それが結果的に地元ホタルを絶滅させたことなどが,完全に削除されているのだ。以下ページの削除前後の版を見て欲しい。

削除前(左): 2012年6月24日 (日) 07:37
削除後(右): 2013年2月12日 (火) 00:54

つまり,以下の記述の中で,赤字部分だけ,すっかり削除されていたのである。

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位置

JR辰野駅の北方約1kmにある天竜川沿い(特に西岸)地域のことを言う。

歴史

明治時代よりゲンジボタルの発生地として知られ,1926年(大正15年)にホタル発生地として長野県天然記念物に指定され、1960年に再指定された。毎年多くのホタル見物客で賑わう地域でもある。

ホタル発生の現状

町の発表では、6月から7月にかけて、ピーク時には1日当たり、1万匹を超えるゲンジボタルが発生している。

ホタル飼育の問題点

1960年代に,主として観光目的で地元産ゲンジを補うために,膨大な数のゲンジが他県業者などからの購入や譲渡によって繰り返し放流された。この事実は意外と知られていない。最近の研究によって,松尾峡のゲンジは,すっかり移入ゲンジに入れ替わってしまい,ここに元々いた天然のゲンジとは系統も発光周期も異なることがわかってきた。
このように、人為的移入種が在来種を駆逐し,生物多様性が損なわれてしまった典型的な地域となっている。
辰野における移入ホタルが、本来地域集団が有していた特性を撹乱しているとの指摘が、長野県生物多様性概況報告書にも記述された。

天然記念物指定地としての松尾峡

松尾峡のゲンジは、ホタル自体が天然記念物とか,保護した自然のホタルが増えてきたとか誤解されることがある。しかしながら,上述のように,生息地(環境)が天然記念物なのであり,他県からの移入養殖によって個体数が増えたのである。生息地指定の天然記念物であるため,過去における他県からのゲンジの移入放流事業も問題とはならなかった。しかしその結果,天然記念物指定地でありながら,天然ではない移入放流され養殖されたホタルが生息している。

辰野町ホタル保護条例によるホタル保護

松尾峡を含め、辰野町全域のホタル生息地が、町が定めた条例である辰野町ホタル保護条例によって保護されている。
もともとこのホタル保護条例は、その前文に書かれたとおり、辰野町環境基本条例(平成10年3月24日条例第1号)[8]の理念を基にして成立したものである。そして、この辰野町環境基本条例には、生物多様性の確保や野生生物の種の保存(第7条(2))が明記されている。
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試しに,赤字部分を飛ばして読んでほしい。いかにも,天然記念物指定された在来ホタルを保護しているかのような印象の文になる。都合の悪い事実を隠すどころか,改ざんしているのである。

最近の同ページを見ると,復活されている。もし削除した人物が町関係者なら,なんと情けない町であることか・・・。辰野町を訪れる観光客にウソの情報を与える人物がいることになる。

ウィキペディアの記事は,誰でも自由に追加したり削除したりすることができ,それが良くも悪くも特徴となっている。しかし,削除して表面上は消えた記述でも,基本的に,履歴にはちゃんと残るのである。それゆえ,上記のような削除は,自分たちに都合の悪い点を削除したかのような印象さえ与えてしまう。それを削除した当人は果たして理解してるのだろうか?

もし,事実と異なる内容なら,ウィキペディア管理者に通報すべきだが,辰野の移入ホタルに関しては,事実を覆い隠そうとするような行為が多々ある。その一端は,生物科学研究所の自然保全解説のページに書かれている。

これら事実を,ひたすら隠したい人(人々?)がいるようだ。

なお,松尾峡に移入された外来ゲンジボタルを隠すという点では,それを敢えて読者に伝えようとしないマスメディアの責任も大きい。例えば,以下のページ参照: