2011年10月23日日曜日

柏崎原発事故時には,長野県・飯山市と栄村も放射能汚染想定地域に


原子力安全委員会の作業部会は20日,事故時に原発から半径8~10kmに設定されている防災対策の重点区域を半径30km圏に拡大する見直し案を示した。
http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY201110200200.html?ref=goo

これにより,屋内退避・ヨウ素服用準備区域も半径50kmに設定されることになる。

長野県は9月に,浜岡原発(静岡県御前崎市)で事故やトラブルが起きた場合,中部電力が速やかに長野県に情報提供することを,同社との間で確認した。
http://www.shinmai.co.jp/news/20110924/KT110923FTI090012000.html

しかしながら,浜岡原発は長野県境から最も近い地点でも約70km離れており,屋内退避・ヨウ素服用準備区域には入らない。

むしろ,新潟県の柏崎刈羽原子力発電所(東京電力)のほうが,県境に近いのである。最も近い県境まで約45kmである。下図に示したように,一部とは言え,県北部(飯山市と栄村)が50km圏に入るのである。しかしながら,県としての柏崎原発への対応は定まっていない。






青円内が柏崎原発50km圏(屋内退避・ヨウ素服用準備区域)
赤区域が,長野県の50km圏(飯山市と栄村の一部)


もちろん,福島原発事故を見て明らかなように,単純に原発からの距離だけで,事故時の放射能汚染リスクは推定できない。風や降雨,地形の影響もあるからである。

しかし,もし退避やヨウ素服用準備の基準区域が半径50kmに設定されたら,原発事故に備えた訓練やヨウ素備蓄など,速やかに検討すべき課題が多いことを県は認識すべきだ。この50km圏に入る地域が,県や東電と事故時の対応を細かに検討できる体制を整えられるように,県も援助を惜しんではなるまい。

万一事故が起きてから,後手に回った対応でドタバタしたのでは,住民の生命や財産を守れまい。

飯山市は,東日本大震災後,柏崎原発の安全性に危機感を持ち,東電や阿部守一・長野県知事に原子力災害への防災対策を要望し,さらに,安定ヨウ素剤を購入することを決めた。
http://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/shomu/shouboubousai/keikaku/gennhatuyousei
http://www.47news.jp/news/2011/08/50.html

しかし,同じく50km圏に入る栄村は,東日本大震災の翌日に強い地震に襲われ,甚大な被害を出し,なお復興途上である。
http://www.asahi.com/national/update/0312/TKY201103120243.html
http://mainichi.jp/area/nagano/news/20111022ddlk20040025000c.html

そのため栄村では,原発対策どころではない,という感が強い。県は,栄村の復興計画に関して,原発事故を想定に入れた計画も立ててほしいものである。

2011年10月12日水曜日

辰野町パラグライダー女児に激突事故: 続報


昨日のブログの続報である

パラグライダー着陸予定地が不許可であったとの一部テレビ報道を聞いたときは,正直言って驚いた。

私の知る限り,何年も前から着陸場所として使われてきたと思ったからである。このテレビ報道では,町には全く責任ないかのような話である。

しかし今日の新聞各紙を見て,やはり誤報だと分かった。さすがに,「不許可地点」などとは書いていない。

地元紙,たつの新聞によると,
20年も前のことで,着陸場所の許可の経緯は不明
と町は説明している。

読売新聞や中日新聞によると,
離陸場所だけを町が整備したが,着陸場所は利用者任せだった
という事実が判明してきた。

着陸予定地は不許可だった,と断定的に言われるのと全く印象が異なる。

事故の加害責任は重大だが,一方的に彼に責任を押し付け,町の対応をうやむやにするのは疑問である。

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松尾峡ホタル盗難事件

そういえば,この町役場,2009年に,この童謡公園の県天然記念物指定地域でホタルを無断採集した男性を岡谷警察署に突き出し,県文化財保護条例違反で地検伊那支部に送検させたことがあった。

このときも,一部報道では,「天然記念物指定地域で」となっていたが,岡谷署に聞いたら,「その近く」だと言う。しかも,生息地を壊したというわけではなく,「単にホタルを捕まえたという微罪」だと言うのである。この際,町役場からは,移入養殖された外来種ホタルだと言うことは一切聞かされず,私の話で初めて知ったと言われた。なんでこんな微罪に大騒ぎするのか,とも言われた。

ちなみに,しばしば誤解されるが,ここのホタルの生息場所が天然記念物なのであって,ホタルそのものは天然記念物ではない。それが県外からホタルを大量移入しても問題とならない一因でもあった。

このホタル盗難事件について,地検伊那支部にも問い合わせた。その職員は,窃盗事件じゃないか,と言ったが,県で文化財保護条例違反と言うなら,そういう観点で調べる,とのことであった。私は,「盗んだのは,町が隠す移入ホタルであることは知っておいて欲しい」と述べ,資料も渡した。

結局,この「ホタル盗難事件」は起訴猶予処分となった。

町役場は,捕獲されたホタルが,養殖された移入外来種ホタルであるとは一切言わず,あくまで,天然記念物にこだわって,その男性の処罰を望んだようだ。

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今回のパラグライダー事故,着陸予定地が不許可であったとのテレビ報道を見て,ホタル盗難事件を思い出し,辰野町はまた責任逃れしようとしていると思ったが,翌日の新聞のいくつかが正確な記事を書いてくれたホッとした。

それにしても,ホタル生息地を破壊せずとも警察に突き出しているのである。そこにパラグライダーが頻繁に降りることは黙認していた中日新聞)というのは変ではないか。

移入ホタルの弊害を辰野町役場に何度言っても,「観光に役立つからいいじゃないか」というような返答ばかりである。

パラグライダー離陸場所を整備し,愛好家で町が賑わえば良いとする,またまた経済優先の町の考えなのだろうか?

2011年10月11日火曜日

辰野町ほたる童謡公園で,パラグライダー,女児に激突,大ケガ


(この問題の続報は,こちら

パラグライダー着陸予定地が不許可であったと一部テレビが報道しているが,それは正確ではないだろう。

辰野町教育委員会も不許可だったとは全く言ってない。通常ルートではなかったのだ。

辰野町でパラグライダーを使う場合は,大城山から飛び立ち,丸山球場に着陸するのが通常ルートである。しかし,緊急時には,ほたる童謡公園への着陸も認められ,そのためか最近は,公園内への着陸も多かった。

この公園は,もともと観光用に役立たないヘイケボタル生息地を潰して作られた

しかし,ホタル童謡公園の利用者も少なく,周辺の広場は,格好のパラグライダー着地点となっていた。以下の地図で,青線が通常飛行ルートだったが,実際には,別のブログにも書いたように,町は着陸地点をパラグライダー利用者任せにしていて,今回の事故が起きたような赤線ルート,つまり,ホタル生息地に降りる,ほたる童謡公園ルートも町役場から黙認され使われていた。



冬季になると,伊那風(諏訪の自然誌・気象編,p246)と呼ばれる天竜川をさかのぼる(地図で下から上へ)風が吹くため,公園内への着陸も頻繁にあると想定される。

最近,辰野でパラグライダーをする人が増え,町中心部へ向かって飛ぶため,家や人に衝突する危険性を町役場も承知しているはずである。

今回の事故は,町役場の責任でもあろう。