2010年11月12日金曜日

生物多様性長野県戦略策定委員会を傍聴してきました

11月10日に長野県庁で開かれた「生物多様性長野県戦略策定委員会」を傍聴してきた。



委員から,千葉県ではタウンミーティングが開催されていることや,生物多様性と言っても一般人には理解できないなどが取り上げられ,県のPR不足が指摘された。私も同感。しかし,A4版60ページにもおよぶ「長野県の生物多様性の概況(中間報告)」をまとめあげた努力には敬意を表したい。これは複数の委員も賞賛していた。

ただし,ゲンジボタルの地理的変異の記述が不正確であったので,委員会後,自然保護課の菅谷行博・課長に指摘され,これに関し,私から論文と資料を自然保護課の窪田達央氏に送信した。同課長からは,COP10を機会に長野県でも生物多様性保全について広く知らせたいとの個人的談話も得る。ぜひ,お願いしたい。

概況(中間報告)の中には,辰野町に外来種の巻貝コモチカワツボが生息しているとの記述もあった。コモチカワツボに関しては,国立環境研究所の侵入生物データベース「コモチカワツボ」を参照して欲しい。

本種は,カワニナと一緒に移入されることが多く,全国ホタル研究会でも警告している(ホタル情報交換)。また,滋賀県では条例で指定外来種になっている(ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例第27条第1項)。山口県でも県自然保護課が,ホタル保護に関連して,繁殖に注意を促す(ホタルの餌にご注意を)。

もし,辰野でもホタル養殖事業関連で移入されたなら,大きな問題だと思う。もしそうでなくても,県内最大(国内でも最大)のホタル養殖地・辰野で外来種のコモチカワツボが見つかったということ自体も問題である。それは,ホタルが多ければカワニナも多く,従って,コモチカワツボも増えやすい,という状況が生まれる可能性があるからだ。辰野町松尾峡の移入ホタルは,下流の在来ホタルにも影響を与え始めている(辰野の移入(外来)ホタル 生物多様性の喪失へ
URL が変更された)。

町役場は,コモチカワツボ繁殖抑制に取り組んでもらいたいし,県からも要請してほしいが,ともにその気配は無い。 悲しいことだ・・・。

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2016年4月11日追記

2011年に作成された長野県生物多様性概況報告書では,辰野町松尾峡の外来種ゲンジボタルも取り上げられた。

そして,
辰野町に移入されたゲンジボタルは在来の集団を駆逐し、この地域特性を攪乱しているとの指摘がある(p.55–56)
と記載された。